オレンジいろっておいしそう

MeseMoa.(ex.むすめん。)オタクの戯れ言をぽいぽいする箱。書き手は橙色の民。

月旅行の思い出

昨年末、1週間ほど月へ馳せ参じておりまして。
あまりの感動にいまだに心が月に残ったままなのですが、
忘れないうちに書き留めておこうと思います。

 

 


※『ミュージカル Cry for the MOON-月に捧げる唄 -』の※
      ※ネタバレが含まれます※
     ※ごりごりにネタバレします※
   ※苦手な方はそっ閉じしてください…※
   

 

 

 

 


まとめ、考察など、時間ができたらまとめたいなと思って早2か月、
書き溜めていたメモも量が増えに増え、
なんか無理かもしんない(てへぺろ)みたいな気持になってきたので
ある程度焦点を絞って感想やらなんやら吐き出します。

 

 

 

本ミュージカルには私の推し(※前記事参照)も出演しておりまして、
彼が扮する「博士」という役について。

役柄としては、月のシステムを牛耳る一族の末裔。
月の姫であるかぐや姫の傍に付き従い、
お小言を言っちゃうようなキャラクターです。
かぐや姫に言わせれば「月屈指の発明家」。
彼の登場シーンには研究室を思わせるセットが登場します。
常に片手に書物を持ち、モノクルが必須アイテム。
月の住人にある文様は左手の甲に刻まれています。

 

物語の初め、かぐや姫が月に帰らねばならなくなった時の戦いでは
博士自身がかぐやの肩に天の羽衣を打ちかけ、月への帰還を促します。
さくっとネタバレしますが、この天の羽衣は偽物です。
本来であればまとった瞬間に地球での記憶をなくすはずが、その効果はありません。
つまり、この時点で博士とかぐや姫だけの共通認識が生まれていたのです。
うえ、しょっぱなから切ないよぅ…。


さて、博士の最初の登場シーンがこちら。
(耳コピなので歌詞は間違っているかもしれません)

 

***********************************************
月が如何にしてめまぐるしい発展を遂げたのか
それは偉大なる祖先が三種の神器を発明したからに他ならない

ひとつ
不老不死の薬 一口飲めば二、三十年はその姿のまま

ふたつ
天の羽衣 身に纏えば忘れてしまう 地球でのこと

みっつ
竹形瞬間移動装置 月と地球とをつなぐ夢の架け橋


三種の神器手にした月こそ 尊い星 誇るべき聖地
ここがあなたのいるべき場所
***********************************************

書物を開き、教授のように舞台上を歩き回りながら歌い上げます。
一口飲めば、は書物を盃に準えてあおり、
忘れてしまう、のところでは手話のような動きを、
週間移動装置の部分はくるんと頭上で円を描きます。
ああもう、ぜあらる。さんの小っちゃいおててが可愛いったら!!!
…すみません取り乱しました。

 

この物語の世界観への導入とも言えるこの歌パート。
最後の「ここがあなたのいるべき場所」ってところで、
上手(舞台向かって右)にいる博士から、
下手(舞台向かって左)のかぐや姫へ視点が切り替わります。

ここ、すっごい切ないんだわ(突然)


博士は、許されない、想ってはいけないと知りつつも、
ずっとかぐや姫に想いを寄せ、慕い続けていました。
かぐや姫の願いを叶えるために竹形瞬間移動装置を使い
タブーを犯してまで地球へ「社会見学」をさせた彼ですが、
帝とかぐや姫が懇意になったことで焦りが募り、
かぐや姫をすぐに月に戻すようにと月詠に命じています。

後に「まさか、地球で愛する人を見つけるなんて思わなかった」と
張り裂けんばかりの心情を吐露しています。

 

「ここが、あなたのいるべき場所」


この歌を、上手にいる博士は下手にいるかぐやに向かってまっすぐに歌うんです。
最初に観劇した時は『月の姫は月にいるのが当たり前』みたいな意味かな~と
深く考えていなかったのですが、2回目以降でクソ泣きました(汚い)

博士すげぇよ…。

 

 


話は進み、朔夜がお供を引き連れ地球に舞い降り、海月と弓弦と出会います。
そこで初めて知る姉・かぐや姫の過去のお話。
明るいテンポの曲調で、竹取物語がコミカルに描かれています。

同時に月ではかぐや姫の後ろについて回って小言を言う博士と月詠のシーンも。
ここはかぐや姫と博士の回替わりシーンで、ぜあらる。さんの本領発揮です。


「かーぐーやーさーま!(大声)」
「大きな声!あら、今ので私の鼓膜は完全にやられてしまった。
 博士、私に何か話しかけてみよ」
「○○○」
「×××」
「聞こえてるじゃないですかーーー!!」


というやりとりがデフォルトで、個人的には千秋楽の「さみしくなりますね」が好きでした。

 

 

さて、場面は地球に戻り、帝とかぐや姫の物語が紡がれます。
紡ぐ歌と表現される、帝とかぐや姫が文を交わし想いを通わせるシーン。


情緒あふれる優しいメロディーに、他のお供たちが2人を優しく見守る中、
博士だけが、死ぬほど切ない表情で文の行く末を目で辿ってるんです。
大切に見守ってきたはずの姫が、まさか違う星で愛しい人と想いを通わせるなんて。

戸惑い、悲しみ、切なさ、なんと表現したら良いものか。
これに気付いた時もクソ泣きました(汚い)

ぜあらる。さんすげぇよ…。

 


さらに話は進み、博士の研究室に静が訪れる場面。
きっと皆さん思ったと思うんです。
研究室のセット(舞台上から十数センチ段上)に乗っている博士よりも、
舞台上の静の方が背が高いって!!!これだからにぜあは!!!
…すみません取り乱しました。


このシーンでは博士の挙動に違和感を持った静が、

博士に真実を問いただそうと詰め寄ります。
(これに関してはまさにこのコンビ推しである私にはキャパを超えるアレだったので
 うるさくなる前に割愛します。DVDで見てね!)

 

ちょっと真面目な話に戻ると、ここでも迫真の演技。
2人とも本題に入る前の茶番では親しみやすさがありますが、

本題に入った途端スッと表情も変わります。

さらに2人に割って入る賢者。

 

ちょっと博士からはそれますが、ここの賢者の表情の変化がすげぇ。野崎さんやべぇ。
静を退出させる瞬間まで張り付いていた笑顔が、静がいなくなった瞬間に消えます。
どうかDVDに収まっていますように…。

 

静にかぐや姫を月に行かせた理由を問いただされ「一種の社会見学かな」と答えた博士。
本物の地球を見れば憧れも消えると思ったんだろう、と話を終わらせた賢者。
静と賢者が退出したあと、「でも、逆効果だったよ…」とひとりごちる台詞の言い回しが、
回を重ねるごとに本当に切なくなっていてクソ泣きました(汚い)

 


話は変わって弓弦と博士がモニター通信で会話をする場面。
めちゃ近代的やん、というのはさておいて、
ここで弓弦が博士に帝の様子を逐一連絡していたことが判ります。
そこはかとなく感じられる狂気。
弓弦の問い詰めに通信ボタンを強制遮断する博士ですが、
ここのボタンの押し方が段々上手くなっていた事も書き残しておきます。

ぜあらる。さん可愛いかよ。

 


博士は物語中でかぐや姫への想いも策略もすべて吐露します。

一人研究室で過去を振り返るシーンは後生大事に持ち歩いている書物を

一枚一枚はぐりながらかぐや姫との記憶を辿ります。

もしかしたらかぐや姫との日々が綴られた記録なのかもしれません。

 

終盤に泣き叫ぶようにかぐ姫への想いを吐き出す姿は、

叶わないものを諦めることもできず
捨てることもできず、ただただ傍に居続けた博士の想いが伝わってきて
これも一つの「イトシイ」のきもちなんだなぁと思わされました。


本当に2人を許せなければ、本物の天の羽衣で記憶を消すこともできたし、
竹形瞬間移動装置の仕様だってごっそり変えてしまえば、
かぐや姫は操縦だってできないし二度と上様に会うことも叶いません。

それをせず、ただただそばにいた博士。


博士はコミカルな部分もシリアスな部分もあわせもっていて、

とても難しい役だったと思います。

だってこのめちゃくちゃ重くて切ないシーンの後に、

もう一個わちゃわちゃした回替わりシーンがあるんです。
ぜあらる。さんすげぇなぁ。

 

この他にも細かい見て欲しいポイントがたくさんありまして。

語り出したらキリがないので、
とりあえずDVDが早く見たい。
そしてたくさんの人に博士を見てほしい。

 

あー見たい。
ちょー見たい。